先進理工学専攻 集中講義 2020

石崎章仁 教授 (自然科学研究機構 分子科学研究所)
Dynamics of Isolated and Open Quantum Systems
Advanced Engineering Physics, FY2020



日程 9月14日(月)より、オン デマンド型の集中講義

授業 内容

<主題>
開放系の量子力学の基礎概念および研究論文を読む際にも必要と考えられる理論ミニマムの習得を目指す。また、開放系の量子力学の実践的事例とし て、光と物質の相互作用、溶液やタンパク質といった凝縮相における化学反応ダイナミクスについて講述する。
The purpose of this course is to understand the basics of open quantum systems that is minimally required to read research papers on it. As practical examples of open quantum systems, light-matter interactions and chemical reaction dynamics in condensed phases such as solutions and proteins are discussed.

<内容>
第1回:Time-dependent Schrodinger equation
第2回:The Golden Rule in quantum mechanics
第3回:Nonequilibrium statistical operator and density matrices
第4回:Reduced density operators and reduced density matrices
第5回:Bath correlation functions
第6回:Quantum master equation
第7回:The concept of decoherence
Interaction of Molecular Systems with Radiation Fields
第8回:Absorption and emission of light
第9回:Nonlinear optical response
第10回:Four-wave mixing spectroscopy
第11回:Single molecule spectroscopy
第12回:Laser control of molecular dynamics
Condensed Phase Chemical Dynamics
第13回:Spin dynamics
第14回:Proton transfer reaction
第15回:Electron transfer reaction


物理工学セミナー
日時:9月18日(金)16:30〜
9月14日(月)〜18日(金)
オンライン
タイトル:Quantum Biophysics: Old Roots, New Shoots.
要旨はこちら

<概要>
いかなる量子系も純粋な孤立系とは見なし得ず、常に何らかの外界と接触することで、ときに量子性が破壊され、ときには量子性が頑健に保持されま す。殊に複雑な分子系においては量子性の維持と崩壊のバランスが化学ダイナミクスの様態に大きな影響を及ぼし得るため、「多自由度ゆえに生じる揺 らぎや摩擦に曝されながら量子効果はどのような影響を受けるのか」を理解することは重要な課題となります。
 
例えば、光合成初期過程における動的過程は、そのような量子散逸系の顕著な例となります。近年の時間分解計測技術の成熟により、タンパク質の運動 による色素の電子状態の動的揺らぎや複数の色素に広かがる電子励起の量子力学的非局在化状態、タンパク質内部でのエネルギーの流れなど、ダイナミ クスや量子力学的現象が詳細に観測できるようになり、量子物理学研究の対象としても興味が持たれるようになりました。本講演では、光合成初期過程 研究に関係して我々が取り組んできた量子散逸系および非線形光学応答の理論研究、また、現在取り組んでいる量子もつれ光子を用いた時間分解分光計 測の理論について紹介いたします。



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